YAMAORI

八ヶ岳主稜線全山縦走 -2日目-

こんにちは、YAMAORI管理人です。

紅葉時期には少し遅いかもしれませんが、八ヶ岳を縦走してきました。

観音平登山口から山に入って、蓼科牧場まで抜ける3泊4日の行程でのんびり歩きました。

2日目の朝

目が覚める。

今日はどこまで進めるだろうか。なんて考えながら、朝露に撓んだツェルトを貼り直して、中でトークスのチタンマグに湯を沸かし、その中にインスタントコーヒーを溶かして舐めるように啜り飲む。薄い。

コーヒー飲んだ後、同じマグに水を入れてもう一度湯を沸かし、モンベルのガパオリゾッタを戻して食す。スパイシーな味が更に寝ぼけた頭を冴えさせる。昨日の晩からこの山の水を身体に多く取り込んでいるのだ、と、妙な安心感を覚える。

腹ごしらえが済んで、ツェルトを片付け、身支度を整えると直ぐに出発する。登山道に入る前にもう一度名残惜しい昨晩の寝床である青年小屋テン場を振り返って眺める。

権現岳への道中に見える富士山

権現岳へ

権現岳

権現岳へ向かう登山道は昨日とは打って変わって直ぐに樹木は無くなって、ハイマツの目立つ高山帯の様な荒涼とした山容となる。

ガレと言うよりもザレや砂利と言ったほうが良いような斜面を登ると、のろし場と呼ばれる見晴らしの良い小ピークにでる。ここから眺めるギボシの岩壁は雄々しく恐ろしく美しい。

のろし場を少し下るといよいよ権現岳への登り返しである。

傾斜の強いガレ場をひたすらに登る。

鎖の着いたトラバースをこなし、しばらく単調な頂稜を歩くと程なくして権現岳山頂に着く。

私はここで失態を犯す。

西ギボシと東ギボシの両方を気付かずに通過してしまった。

権現岳の象徴とも言えるピークを見落とし、通過するとはなんともまあ、情けない。

権現岳(2715m)

権現岳は八雷神(やついかつちのかみ)を祀る祠が置かれ、かつては八ヶ岳の修験の中心であり、八ヶ岳の名前は八雷神に由来し権現岳を八ヶ岳と呼んでいたという言い伝えもある。

赤岳へ

風が物凄く強いので、早々に赤岳の方へと下る。

権現岳を赤岳の方へ進路を取ると直ぐに長い長いはしごがかかっている。61段の源氏梯子である。権現岳の名物らしいが、私はそんな事は露知らず、写真の1枚も撮らずにただただ通過しただけであった。 道標 道標

赤岳

しばらく歩くと、丘のようなツルネと呼ばれている穏やかな小ピークがあり、ここを下れば程なくキレット小屋に着いた。

ツルネから眺める赤岳が雄々しい。

小屋は営業していないが、小屋の前の広場が風の影響があまり無いようなので、ここで小休止を取ることにする。

柿の種をたらふく食べて、水をがぶ飲みする。私の行動食は専ら柿の種である。

キレット小屋から赤岳までの登り

キレット小屋からは赤岳までは急峻な登り、ガッツリと高度を上げる。

赤茶けた荒々しい山容が素敵。

遠くに富士の高嶺が見える。空に浮かぶ雲の形を見て、心の中で、急げ、急げ、天気が崩れるぞ。と、唱えるように繰り返す。

真教寺尾根との合流地点(分岐)近く

ここまでくれば赤岳はもう直ぐそこだと、足を速める。

ここで3人組のパーティとすれ違った。

すれ違った時にリーダーらしき人から、硫黄岳の方は爆風だから気を付けてと優しく言って頂いた。

赤岳山頂付近

赤岳山頂

赤岳山頂

ついに到着。

常に強風にザックを煽られていたせいか、なぜだかどっと疲れた気がする。

地蔵の頭の道標

束の間の感動を横目に、これから進む方を視界に捉えて、休む事なく先へ進む。 見下ろす赤岳天望荘

赤岳天望荘

横岳山頂

展望荘、横岳を通過して硫黄岳へ

硫黄岳山荘

硫黄岳山荘

横岳を下ると硫黄岳山荘へ着き、ここで私は記念にと手拭いとお土産にとタルチョを購入。忙しそうな小屋番さんを尻目に早々に立ち去り、硫黄岳を目指す。

硫黄岳山頂付近

硫黄岳山頂付近

硫黄岳への岩礫の登り斜面は、先ほど忠言頂いた通りの爆風で上げた片足が風に流される程である。時折吹く横殴りの突風に身体を強張らせながら登る。

硫黄岳山頂

硫黄岳

山頂に到着。

冬にしか来たことがない硫黄岳の山頂で冬に比べると大分薄着で立っていることが不思議で新鮮だ。

爆裂火口は何度見ても圧巻である。

風が強く、くつろげる場所では無いので早々に夏沢峠へと下った。下り途中に大きな岩を巻くように歩く箇所があるのだが、風向きのせいで、ザックが強く風に煽られて体ごと風に流されそうになり、肝を冷やした。

見下ろしたヒュッテ夏沢

夏沢峠

ヒュッテ夏沢で少し腹拵えをする。勿論柿の種だ。腹拵えを終え、先を急ぐ。

簔冠山の道標

根石岳山荘

根石岳山荘標識

ここで進退を考える事になる。

箕冠山から根石岳山荘へ下り、根石岳山荘を素通りし、広い鞍部を通過しようと歩くも、風が強すぎて歩けたものでは無い。中腰でも身体が飛ばされそうな暴風だった。

根石岳山荘の正面くらいまで歩いた所で引き返す事に決め、風に崩されそうな身体をストック頼りに支え、何とか箕冠山までの登り返しの階段までたどり着いた。

夏沢峠まで戻り、本沢温泉の方へ下る。

今夜は本沢温泉のテント場にて宿泊する。

本沢温泉付近の紅葉

本沢温泉付近

本沢温泉野天風呂道標

本沢温泉まで下ると、本沢温泉の少し手前で綺麗な紅葉を見ることが出来て先程までの暴風に冷やされた身体の芯が少し暖まった様な気がした。

本沢温泉

本沢温泉でテント場の受付を済まし、無けなしのお金で風呂に入るか、蕎麦を食べるか、頭を垂れるほどに悩んだ末に、蕎麦を選んだ。温かい物を腹に入れたかった。

本澤温泉のキノコ蕎麦

きのこ蕎麦

沁みる。

五臓六腑に沁み渡るとはこの事である。汁を啜ると手先足先まで温まり、蕎麦を殆ど噛まずに飲み込むとホッカイロで内臓の内側を直接温めている様な幸福感を得られた。

食事とは幸福の権化である。

日本一標高が高い野湯にもそそるもの有るが、やはり食の欲求には敵わない。心身の冷えを癒すものは温かい食事である。

今まで食べたどんな物よりも美味い。この時ばかりは本気でそう思った。

本沢温泉のテント場

その後は、昨日と同様にツェルトで寝た。

夜半、隣のテントで寝ていたパーティの騒ぐ声で目が覚める。

どうしたのだろう。

耳を済ませて会話をよく聞くと、濡れた濡れた騒いでいるのだと分かった。

どうやら少し強く雨が降っている様だった。テントの設営が甘かったのだろう。

私はずっと天気の崩れを予想していたので予めツェルトを設営する時にツェルトを囲むように堀を掘っていたので難を逃れる事が出来た様だった。

隣人には申し訳ないが、自身の成長に自惚れながら、このまま睡眠を貪るとする。

ツェルトの中

充実した一日だった。

投稿日:3/16/2026, 7:30:35 AM

更新日:3/16/2026, 7:30:35 AM

カテゴリー:登山記録